腎臓ガンについて

腎臓がんは腎実質から発生します。腎盂にがんが発生することもありますが(腎盂がん)、これは尿路上皮から発生するもので、尿路上皮がんとして取り扱われ
、一般でいう腎臓がんとは異なります。腎実質に発生するがんには、成人に発生する腎細胞がんと小児に発生するウィルムス腫瘍があります。
さらにまれな腫瘍として肉腫があります。ここでは、成人に発生する腎臓がんについて解説をします。

腎臓がんは 40 歳代くらいから増加し、60 歳代、70 歳代で多く見られます。がん発生の危険因子としては、喫煙、肥満があげられ、血液透析患者さんにもよく見られます。
また、一部の遺伝性疾患で好発することも知られています。中枢神経系血管芽腫を合併するフォン・ヒッペル・リンドウ (VHL) 病や、自然気胸や顔面皮膚の小腫瘍を伴う
バート・ホッグ・デューベ (BHD) 症候群などの、常染色体優勢遺伝性の疾患をもつ患者とその血縁者では、腎細胞がんの発症割合が高く、VHL病血縁者の 40% で
腎細胞がんが発症するといわれています。腎臓がんは片方の腎臓にできることが多く、両方の腎臓に同時にできることはまれで 1% 程度です。
腎実質にできるがんのため、血尿はがんが進行して、腎盂を破らないと見られません。また、進行すると腎臓の被膜を破って腎臓の外に広がったり、転移を起こしたりします。
転移は肺に最も多く見られ、他にリンパ節や肝臓、骨にも転移します。血管の中に入り込むようにがんが大きくなることもあり、がんが大静脈や心臓にまで達することもあります。

腎臓がんは腎実質に発生するがんであり、そして腎臓は体の表面から深いところあるため、進行するまでは無症状です。進行すると血尿がみられることが多くなります
血尿以外の症状として、背中やわき腹の痛み・不快感、おなかやわき腹のしこりが現れることがあります。血尿は顕微鏡で見ないとわからないもの(顕微鏡的血尿)から、
目に見える程のもの(肉眼的血尿)まであります。

肺に転移すると咳や血痰が出たり、骨に転移すると骨の痛みが出現したりします。血痰や転移でもろくなった骨が骨折して、腎臓がんが発見されることもあります。
がんが腎静脈内に進展すると男性では精索静脈瘤を発症して陰嚢に腫れや鈍痛を認めることがあります。さらに大静脈にまで進展すると、足がむくんだりすることもあります。
ここにあげた症状はいずれも進行してから現れる症状のため、無症状の間に健康診断などで発見することが早期診断には欠かせません。

CT や MRI 検査で腎臓がんの腎臓における広がりや静脈内への進展の程度を調べます。リンパ節転移の診断にも有効です。
肺への転移の検査には胸部CT検査や胸部単純写真を撮影します。肝転移は CT や MRI 検査で診断します。骨への転移は放射線同位元素を用いた骨シンチグラフィーで診断します。

1) T (がんの局所での広がり)

T1 がんの大きさが 7cm 以下で、腎臓内にがんがとどまっている。そして、がんの直径が 4cm 以下の場合を T1a、4~7cm の場合を T1b と分類します。
T2 がんの大きさが 7cm を越えているが、腎臓内にがんがとどまっている。
T3 がんが腎臓の外まで直接広がっているが、腎周囲の脂肪組織や副腎、血管内にとどまっている。
T4 がんがさらに広がって周囲臓器(副腎、腸、すい臓や筋肉など)に及んでいる。

2) N (リンパ節転移の程度)

N0 リンパ節転移なし。
N1 リンパ節転移の数が 1 つ。
N2 リンパ節転移の数が 2 つ以上。

3) M (遠隔転移の有無)

M0 遠隔転移なし。

1) T (がんの局所での広がり)

T1 がんの大きさが 7cm 以下で、腎臓内にがんがとどまっている。そして、がんの直径が 4cm 以下の場合を T1a、4~7cm の場合を T1b と分類します。
T2 がんの大きさが 7cm を越えているが、腎臓内にがんがとどまっている。
T3 がんが腎臓の外まで直接広がっているが、腎周囲の脂肪組織や副腎、血管内にとどまっている。
T4 がんがさらに広がって周囲臓器(副腎、腸、すい臓や筋肉など)に及んでいる。

2) N (リンパ節転移の程度)

N0 リンパ節転移なし。
N1 リンパ節転移の数が 1 つ。
N2 リンパ節転移の数が 2 つ以上。

3) M (遠隔転移の有無)

M0 遠隔転移なし。
M1 遠隔転移(肺、肝臓、骨など)あり。
M1 遠隔転移(肺、肝臓、骨など)あり。
がんの進行度による一般的な治療方針
がんの進行度で選択される治療法がある程度決まりますが、治療の中核は外科的切除です。
転移がない場合 T2 までの場合、可能であれば腎部分切除術を行い、がんが発生した腎臓の働きをある程度温存しつつ、がんを治療することが可能です。
それ以上の大きさのがんの場合は原則として根治的腎摘除術を行います。静脈内へ進展した T3 や周囲臓器への浸潤がある T4 の場合も、周囲臓器なども
含めた手術が行われるのが一般的です。術後の補助療法としての免疫療法や分子標的治療の追加については議論があるところです。
転移がある場合 転移がある N1、N2、M1 の場合にも治療計画の一環として腎臓を摘出する場合があります。この場合、手術で根治が得られる訳ではありませんが、
腎臓を摘出した方がその後の治療成績が良いとも言われています。腎臓の摘出により転移が小さくなったり、消えたりすることがまれにあると言われています。
N1、N2 ではリンパ節の摘出も可能であれば行います。また、手術後には免疫療法や分子標的治療を行います。
転移も状況によっては切除します。転移による痛みなどの症状を和らげるために放射線療法を行うこともあります。

がんの治療後の成績
がんの大きさが 7cm までで腎臓内に止まっている T1 では、手術後の 5年生存率は 90% 以上と良好です。
そして、腎部分切除を施行した患者さんと腎摘除術を施行した患者さんの生存率は同等です。
がんの大きさが 7cm 以上で腎臓内にがんが止まっている場合は、手術後の 5年生存率は 80~90% です。
手術を受けでも転移のある患者さんの手術後の 5年生存率は不良で、30~40% です。したがって、早期発見が極めて重要です。
今後、分子標的治療によって生存率が向上するのか注目されます。

   
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