モアレ・トポグラフィー

モアレ装置


モアレ式体型観察装置はモアレの干渉模様を読み取ることで、
身体を立体的に三次元表示することができます。

従来の視診法や単なる初心撮影に比べて、正確な立体計測と記録ができます。
何回使用しても、X線のような危険性がなく、安心して使うことができます。
そのため、自動の側湾症の観察や、筋肉や骨格のゆがみの測定装置として、
改善を客観的に捉えることができます。

スポーツ、美容、医学、歯学、整体、整骨、東洋医学など各方面で広く使用されています。

取り扱い

モアレ装置による写真撮影は暗所が必要です。ただし、真っ暗にする必要はありません。外光がある程度遮断できれば十分に撮影可能です。

ライトの位置は正面中央上下いずれの位置からでも良いですが、ライトが高温になるためモアレ装置本体から50cm以上離してください。
点灯後はライトに触れないでください。火傷の恐れがあります。
カメラの位置は中央、水平位置です。

モアレ装置の説明と、撮影と写真解析、投光と撮影方法。リングの読み取りについての詳細講習会を行っています。



モデルNO:Z-1
 
\399000(税込み価格) メールで注文をする
従来型より、軽量化、体格の向上に合わせてワイド化

上下六段高さ調節可能
価格は大幅に従来型よりダウンしました。

モアレ格子サイズ 内径たて88cm×よこ80cm
架台:たて180cm×よこ94cm

モアレ等高線の発生。


 .モアレ等高線。1.見やすい等高線。

モアレ写真は、モアレ線が濃く写っていると見やすい。

写真は「光を写す」わけだから、光しだいということになる。

周囲を暗くするのには、暗幕を使い壁や天井からの反射を防くようにする。
反射があるとモアレ線の写りは悪い。

反対に、500Wのライトを使うと、周囲の反射も打ち消されるので、周囲をほんの少し暗くするだけでモアレ線は濃く写る。

500Wのライトで撮影すると、暗幕は使わなくてもいい。

2.撮影。

撮影はフィルムカメラよりも、測光と距離測定が自動のデジカメの方が適している。

フィルムカメラは現像・映像のCD化またはフィルムスキャンといった作業があるため、
デジカメのパソコン読み取りに比べて時間と手間がかかる。

使いやすさと画像処理が短時間ということで、デジカメの方がモアレ撮影に適している。

3.等高線の発生。

治療前後の背部をモアレ撮影して、症状や疾患が治った証拠としている人たちがいる。

たしかに背部の等高線形状は治療前(Be)よりも、後(Af)の方が全体がととのい左右対称的になるので、
症状が改善されたことがわかる。

等高線は体の歪みや筋肉の隆起に応じて発生するため、線の形状が「現在の体の状態を表わしている」のはたしかだ。

ところが治療前後の等高線の変化について、たとえば、右肩甲骨部は左に比べて「隆起が何ミリ改善された」というような、
数値的な説明がなされていない。

モアレ等高線には客観性と普遍性があり、よってモアレ解析さえも行えるのである。

上空から地上を眺めると地表には凹凸があるが、同じ高さ(等高差)を線で結んだものが等高線である。
筆者は、地表の等高差を表わす言葉を、そのまま立位体の隆起差に用いるのはふさわしくないと考えている。

人体の凹凸を表わすのには、それなりの表現方法があっていいはずだ。
そこで体の等高線は、モアレ線と表示する方がふさわしいのではないかと提案している。

特に顔面撮影したものは等高線よりも、モアレ線の方が柔らかい感じで、柔和な表情を表わすのに適しているように思える。
その理由から、ここでは等高線とモアレ線の両方を併記する場合があることをお断りしておきたい。


 .モアレ等高線の発生テスト。Vol.1


モアレの性能を知る目的で、モアレ等高線の発生テストを行った。


イ)テスト全体(図1)。

等高線の発生テストは、図1に示す方法で行った。

a.モアレ面裏側に0〜30cmを記入した垂直線の距離を示す図、
  同じく0〜30cmを記入したテスト図をモアレ面に傾斜するように置いた(図1、2)。
b.ライトはモアレとの距離190cm、高さ180cmに設置した。
c.カメラはモアレとの距離をフリーに、レンズ光軸の高さを110・120・130・140cmで撮影した(図1)。

 垂直線と
ロ)垂直線の距離図とテスト図の関係(図2)。

a.垂直線の距離図とテスト図の10cmを、高さ120cmに合せて設置した。
b.図1.2と表1、およびテスト写真1〜4で示したように、垂直線の距離図は垂直、
  テスト図はモアレ面に対して斜めに設置した。

c.モアレ面とテスト図の0〜30cmの距離は、表1に示したように、以下の値となった。

0cm=140mm
   10cm=130mm
   20cm=120mm
   30cm=110mm
ハ)ライト軸とカメラ光軸の関係(表2)。

  モアレとの距離190cm、高さ180cmに設置したライト軸と、110〜140cmの高さにおけるカメラ光軸の入社角は、
  表2に示したように以下の値となった。

   140cm=11.75°
   130cm=14.75°
   120cm=17.75°
   110cm=20.75°


 .等高線の発生数。

レンズ光軸の高さ110〜140cmにおけるテスト図上(A)と垂直図上(B)のモアレ線の発生数は、
データー1〜4の表のようになる。


1.データー1(レンズ光軸=140cm)。
a.Aにおけるモアレ線は、0〜30cm間隔の均等に1線発生していることがわかる。
b.テスト図のアモレ面との距離は110〜140mm=30mmの前後差があることから、30mm/3線の発生となる。

  よってモアレ線は前後10mm差で1線発生していることになる。

  レンズ光軸=140cm
  1線=10mm隆起差。

2.データー2(レンズ光軸=130cm)。
a.Aにおけるモアレ線は、0〜10cm間に1線、10cm指標をまたがるように1線、
  20cm指標に1線、20〜30cm間に1線、計4線発生している。
b.テスト図のアモレ面との距離は110〜140mm=30mmの前後差があることから、
  30mm/4線=前後7.5mm差で1線発生していることになる。
c.30cm指標近くにモアレ線があるが、これは0〜30cm内に発生したとは認められない。

  レンズ光軸=130cm
  1線=7.5mm隆起差。

3.データー3(レンズ光軸=120cm)。
a.Aにおけるモアレ線は、0〜10cm間に1線、10cm指標にまたがって1線、
  10〜20cm間に1線、20〜30cm間に1線、
  10cm指標にまたがって1線、計5線が発生している。
b.テスト図のアモレ面との距離は110〜140mm=30mmの前後差があることから、
  30mm/5線=前後6mm差で1線発生していることになる。

  レンズ光軸=120cm
  1線=6mm隆起差。

4.データー4(レンズ光軸=110cm)。
a.Aにおけるモアレ線は、0〜10cm間に3線、10cm〜20cm間に2線、
  20cm指標上に1線、20〜30cm間に2線、計8線が発生している。
b.テスト図のアモレ面との距離は110〜140mm=30mmの前後差があることから、
  30mm/8線=前後3.75mmで1線発生していることになる。

  レンズ光軸=110cm
  1線=3.75mm隆起差。
5.結語。

モアレ線の発生は光に即応するのが当然である。
当モアレをテストした結果、カメラ光軸とライト軸を変化させても、
モアレ線の発生は順調であり、性能的に問題はないようだ。

症状の改善の程度を体表上から知るためには、
発生するモアレ線は隆起何mmであるかを知ることからはじまる。

そして、その隆起が何mm変化したのか、
それを知ることが変化を客観的に捉える元になる。

次のテストでそのあたりのことを探ってみる。



「構造と製作・撮影方法」 講師:茂貫雅嵩

モアレの干渉模様を読み取ることで、症状と疾患、不健康から健康への改善を客観的に捉えることができます。
そこで『モアレ講座』において、医療と治療関係者、研究機関、整体、一般向けにモアレ・トポグラフィーをわかりやすく解説することにします。
モアレ構造と製作、撮影方法と簡単な写真解析です。

モアレ機器の製作(試作品の製作) 販売用製品とはサイズ・製作方法は異なります。

A.モアレを作る。

1.モアレ・トポグラフィー。 
モアレ・トポグラフィー(moire topography)は、暗所で投光して等高線(以降、等高線・リング・本数と表示)を発生させる装置である。 モアレ装置は高さ180cm、横幅65cmの長方形の金属枠に糸を縦に張った構造体である。

体型観察用にさまざまな人たちの背部を撮影し、写真解析した。
解析しているうちに、糸縦張りの短所がわかった(写真1)。
その理由は次のようになる。

モアレは光源からの距離に応じた影を作る。
それは太陽と影の関係にたとえることができる。

陽が昇るときと、斜め上にあるときの影を比べると、前者は長く後者は短い。 モアレも左側から投光した場合、右側の影は、左側の影よりも長くなる。 つまり「左右の影(等高線)に左右差ができる」のである。

したがって左側光源で撮影すると、背部に発生する等高線は右側は左側に対して長くなる。
これでは正体の身体が、不正体と診断されることになる。

そこで1979年、等高線が左右対称に表れる横張り(糸を横に張る)モアレを作ることにした。

写真1

右肩甲骨部モアレの拡大写真。 糸を縦に張ってあるのがわかる。

2.設計。

さっそく設計にとりかかった。

3.サイズ。
イ.架台。
モアレ本体のことを架台という。 架台は高さ1800mm・横幅650mm(外径)のサイズで、それを600mmサイズの足二本で支える構造になっている(図1)。

モアレ面と脚部は一体型で、アモレ面の上下はできない。

ロ.モアレ面。
モアレ面のサイズは高さ1000、横幅600mmで、成人男子の背部を全部撮影できる。
形は縦型をした長方形の枠で、糸を横に張る(写真2.3)。

写真2 写真3

写真2  背部を撮影したもので、等高線が鮮明に写っている。
写真3  写真2を拡大したもの。 糸を横に張ってあるのがわかる。

ハ.ピッチ・ピン。
長方形の両枠に1000mmの全ネジ棒(ピッチ・溝)を溶接し、長方形の両枠の外側に直系2mmのピンを、ピッチ(溝)数の1/2の数だけ打ち込む。

全ネジ棒のピッチには各サイズがあり、仮にピッチ1,6mm(溝と溝の間隔)の場合、10ピッチで16mmの長さになる。 1ピッチ目に糸をはめて1ピンにかけて折り返し、2ピッチ目に糸をはめる(写真4)。

この要領で行うと10ピッチに5本のピンがいる。
よって1000mm÷1,6mmピッチ=約625ピッチ、つまり625本のピン数になる。
625本のピンは両枠の数だから、片側では312と313本になる。
1,6mmピッチ間隔で折り返すから3,2mm間隔に1本のピンとなる。
直径2mmのピンを3,2mm間隔に1本を打ち込むというのはほぼ不可能だ。
そこでピンを2列にして6,4mmに1本のピンを交互に配列する。

写真4

上半分が糸をピッチにかけたもの。
下半分は糸をかけていないピッチ(黒塗装済)。

4.架台。
架台を作ってくれる所を探した。
東京であれば相当数あるはずだが、ピン打ち込み技術・溶接の仕上がりのよさなど、できの良いモアレを作るとなると簡単には見つからない。
職人はとかく頑固で、ウルサ型が多い。 モアレ本来のデザインを勝手に変えたりする、独善的なところだったが何とか出来上がった。

5.糸張り。
625本(312+313本)に糸を張る。 糸張りは、9時間で2日かかりの仕事になった。
両枠のピンからピンまでの距離は約70cm。 糸の長さの総計は、70cm×625本=437,5mになる。

6.張力。
縦張りは、糸は重力にそって垂れ下がるから、さほど張力を必要としないが、横張りは糸の中央部がピンッと張っているくらいの張力が必要だ。
では、張力とはどのくらいなのか。
卵一個の重さを50gとして、a)6個で300g、b)10個で500gを参考に、横張り糸の総張力を計算してみる。
625本×300g=187kg。 625本×500g=312,5kg。
aで糸を張ると187kg、bでは312,5kgの力がかかることになる。
実際の張力はせいぜい200g程度もあれば十分だ(写真5)。

張った糸を、バックを赤にして撮影した。
塗装していないので、糸が白く写っている。

7.塗装。
モアレは投光して撮影するので、反射を避けるため全体を黒色にする。
塗装を均一にするため、専門家によるガンスプレーで行うことになる。 ツ
ヤ消しの缶スプレーでもいいが、まだら塗りや垂れ塗りにならないように、塗り方に注意がいる。

8.作る。
2〜7で個人ができるのは、2設計・5糸張り・7塗装である。
「根気、やる気」の気持ちさえあれば架台は作ってもらい、5と7は自分でできる。
糸張りは、糸を溝にはめて張力をかけながらピンにかけて折り返す作業が続く。
したがって常に指に糸がかかっているため、指が糸で切れることもある。
そこで手袋をはめて糸を張るようにする。
軍手では厚すぎるので、写真用の手袋を使う。
写真用はフィルムに柔らかく、キズがつかないようにできているので適している。

B.モアレ撮影。

1.撮影の光。
暗いところで撮影するときは光が必要だ。
モアレ撮影の光は、昔の8mm撮影で使うムービーライトを使う。 等高線は濃い方がわかりやすい。
そのためには輝度の強い光が必要なので、ムービーライトになる。

2.等高性(等高線の発生要因)。
等高線の発生や、リング数の決まる要因は何だろうか。
まず、等高線の発生について。 モアレリングは、地図の等高線が等しい高さを線で結んでできてるのと同じである。 ここでは立位の背中だから、等しい高さとは、等しい隆起ということになる。
したがってモアレ面に対して、隆起差(前後差)があるとそこに等高線が発生する。

写真1〜3の場合、こちらから見て向う側への隆起差でリングができることになる。
次に、発生するリング数について。 こちらから見た隆起差で発生するわけだから、隆起差にそって発生数は決まるが、実は、発生するリング数の要因は隆起差だけではない。

写真1 写真2 写真3

3.投光角度と撮影角度。  
3枚の写真を比較してもらうと、リングのことがよくわかる(写真1.2.3)。
同じ背部なのにリングの発生数が違う。
投光角度を一定にして(写真は下から上に投光した)、撮影角度を変えて撮るとこのようになる。
左右腋窩を直線で結んだ線上の、腋窩から左右肩甲骨中央部までに発生しているリング数を比べてみよう。

写真1は20本(左10・右10)、写真2は12本(左6・右6。右中央部の黒い部分は、リングが発生したとみなさない)、写真3は31本(左15・右16)発生している。
20本:12本:31本とリング数にはあきらかに大差がある(注)。
写真1〜3の撮影角度は次のようになる(実数角度ではなく、撮影した大まかなレンズ角度のことをいう)。

写真1は、レンズ入射角を水平にしたもので、通常の写真撮影と同じ。
写真2は、レンズ入射角を仰角(あおぎ見る角度)で撮影したもの。
写真3は、レンズ入射角を俯角(見下ろす角度)で撮影したもの。
下から投光した場合、仰角で撮影するとリング数が少なく、水平角度では仰角より多く、俯角撮影ではさらに多くなる。 このことからリングの発生数には、投光角度・撮影角度・隆起差の三つが関係していることがわかる。
ところで、標準的なモアレは写真1のことをいう。
写真1を評価すると、姿勢の善し悪しは別として、リングを見るかぎり体型は対称性を保っている。

※ 注 等高線(リング)は、一般的に本数で表す。

C.体型診断。
1.写真解析。
モアレ撮影する目的の一つは、左右のリング数やリングの形状から背部の状態を知ることにある。
つまるところ、リング数やリング形状の解析などの読み取りが重要になる。
筆者は操体で活動しているので、モアレも操体的な体の動き前後の比較に用いている。
他の方法ではそれほど変化しない体も、操体ではもののみごとに変わるからだ。
どのくらい変わるのかというと、リング2〜4本がサッと消えるくらい変化する。
しかもその動き方はやわらかく、静かに吐く息でゆっくり力を抜くというもので、瞬間脱力はしない。

2.体型診断。
アモレ観察から、ある範囲の背部の状況を知ることができる。
そして動きによって変化するリングを観察すると、体型診断ができるようになる。
この動体モアレによる体型診断は、頚部・肩部・背部・腰部のことがよくわかるので便利だ(写真4.5)。
このような投光・撮影方法・動体リングの観察・写真解析などは、実際に行ってみるというのが一番いい。

写真4 写真5

※ 写真4.5は、上から下に投光した。
写真4 両腕挙上のリング。 頚部・肩部・肩甲骨部の不快感をテストに役立つ。
写真5 両掌をほほにつけない体型にする。 頚部・肩部・肩甲骨部の不快感テストに役立つ。   

モアレ講座2:「モアレの原理と観察」 解説:茂貫雅嵩

A.モアレ・トポグラフィー(moire topography)   

モアレとはフランス語で、木目や波状模様になるように織られた布地のことをいいます。それが転じて、規則正しく配列された点や列、線などを重ねたとき、それらのわずかなズレによって生じる斑紋のことをいい表すようになった。
モアレといえば一般的にはモアレ写真のことをいうが、その他に等高線模様・等高線画像、干渉模様・干渉波形のこともモアレといいます。  

意味
一般 医学
moire 等高線・干渉縞 局所、局所解剖学
topography 地勢,地形学
体表面の形
graph 図表、図示 局所、場所
graphy 記録
記述、描写の接尾語

光で干渉模様が発生する原理は、次のようになる。

光は細いスリットを通すと互いに干渉しあい、光の集束(光が重なって明るい領域)と、光の不足した領域を作る。
光の不足した領域は、スリットからのある距離で最大となるため、一定した細めの黒い線になる。

よって、そのある距離に物体があると、物体上に黒い線を描くことになるので、物体表面上に凹凸があると、等しい高さの凹凸にそって黒い幅が描かれることになる。 それが、等高線である。

地図の等高線が、等しい高さのところを線で結んでできているのと同じで、モアレは物体表面の同じ高さの部分を線で結ぶ。

したがってモアレ画像を観察すると、物体表面の凹凸を読み取ることができることになり、その物体が体の場合、体表上の凹凸にそって黒い線、つまり等高線が発生するため、体型の観察が容易になるのです。

これから掲載するモアレ写真は、体の表面の凹凸(前後差)5,5mmで等高線一本が発生する装置によるものです(値が変化した写真を使う場合は、○mm差と表示)。

アモレ模様に子供たちは珍しがり大喜びです。

リングは等高(隆起)差によって発生することから等高線と呼ぶが、通常リングまたは線ともいいます。

等高線の数を表すときは、線数、本数、リング数、○線目といいますが、幼児、小学生、一般には本数がわかりやすく、なじみやすい。
そこで一般には本数、それ以外では線数と表現しています。

ここでは観察眼を養う・形態観察に精通するなど、体の観察のプロを目指すことを含めて、解説の目的に応じてリング数、本数、線数を用いるようにします。



モアレから疾患や症状を診断するというのは、なかなか難しく、ほぼ不可能といった方が正解かもしれません。

モアレでわかるのは側わん症、背筋の隆起と左右差、姿勢(円背、平背など)、脊柱の形状、体型の左右差、大き目の部分的な硬結、体型の捻じれと歪み(ユガミ)、傾きなどです。

観察眼ができてくると、体型から推察される消化器、循環器、呼吸器などの疾患の兆候、肩こり腰痛といったところです。

それでも形態観察の基本を理解し、読み取り方に精通して観察眼ができてくると、さらにそれなりの内容がわかってくる、ということもたしかです。観察をするならば、はやく観察眼ができるか、いかに見慣れるか、ですね。

そういうわけですから、これからモアレ写真・体型・姿勢を教材にして、形態観察の基本と、読み取りに精通する『眼を作る』ための見慣れ方を進めていきます。  


●モアレ観察。

姿勢的に問題ありの子供たちを心配して、先生方がモアレ撮影を望んでいました。 そこでモアレ写真を撮りまくって「これこれ」と説明していたときがありました。

ところが、意外なことがわかった。

たしかに、モアレは体型の善し悪しの診断に大いに役立ちますが、では、体型を直すのにどうするのかという方法を、先生方は知らなかったのです。 おそらく、今も同じでしょう。

子供たちのモアレ写真を元に、体型と姿勢観察・姿勢作り・体型の改善・不快感の解消法などを解説をしていきます。

子供もたちは体の揺れが大きいので、撮影時に体の安定を保つ目的で、頭部を固定させた姿勢になっているものがあります。当然、円背(猫背)の姿勢が写っているわけで、それは判断しないでください。   

No1

No1
A.
リングの発生は、右肩甲骨中央部と臀部である。   
左右リングで一致するのは、肩甲骨部に発生している左4線目と右7線目であるから、7−4=右が3線多い。   
よって右は左に対して5,5mm×3=16,5mm隆起(手前側へ突出)していることになる。

B.
右肩甲骨内側下角は、わずかな範囲に3線発生している。   
これは、同下角が手前側へ極端に突出している、つまり、手前側へめくれた形状になっていることを表している。

C.
左背部の肩甲骨中央から腰部まで発生しているリングは9線、同右は12線である。  
左リングはゆるやかに発生し、なだらかな背筋による背部形状を保っていることがわかる。   
対して右は短い距離に密集発生であるから、腰部から右肩甲骨部にかけて盛り上がった形状をしている。   
これは、右側は腰部から肩甲骨内側下角への筋肉の質と形状が、体にへばりつくようにして硬くなっていることを表している。

D.
脊柱3〜9番目あたりに、わん曲を観察することができる。   
特に5,6番目あたりは、脊柱わん曲の傾向を示している。   
すなわち、脊柱3〜9番目による5,6番目のわん曲が、肋骨を右側へ押し出す働きをして、右肩甲骨下部に潜り込み現象を起こし、ために右肩甲骨下角を手前側へめくれさせたのである。

E.
左右体側を比較すると右は肘との間隔があり左は狭い。   
側わん症の場合、右が広がるものと狭くなるケースの両方があるので、体側の間隔から、いちがいにそうであるとはいえない。   
しかし側わん症特有の体型を示している。

まとめ。

モアレ観察から、体型的に間違いなく側わん症といえそうだ。

脊柱のわん曲が『進行性』である場合、次のようになる。

いったん脊柱のわん曲が始まると、さらに右側へわん曲が進み、右肩甲骨下部に潜り込み現象を一段と進行させることになる。そうなると体型的に、右肩は左に比べて高くなり、右体側と肘の間隔はさらに広がり、右臀部の一部が隆起してくる。
典型的な側わん体型である。

側わんの診断は、体型観察で行う四点法と六点法があるが、観察法・診断法・改善法を含めた詳細を、いずれの集中的に載せることにします。  

No2

No2
映像を細かに眺めてみると、縦状に細い線が走っているのがわかるが、これがモアレのスリット状になる。

A.
リングは左臀部、次に左肩甲骨中央から発生している。   
左右リングで一致するのは、肩甲骨部に発生している左5線目と右2線目であるから、5−2=左が3線多い。   
よって左は右に対して5,5mm×3=16,5mm隆起していることになる。   

左上部は、盛り上がった形状になっているが、これは体が左に捻じれていることと、上部僧帽筋、菱形筋などが硬くなった影響である。   

左下部は、3線目から平背の形状になり、左臀部からの13線目になる。   
これは形状として異常である。   

右背部は、1線目から大きな平背の形状になり、左肩甲骨部からの4線目が右へ流れている。

B.
左肩甲骨部の4線目が左腰部近くに流れ、次に、左臀部からの13線目がある。   
左肩甲骨部の5線目が左腋窩背部に流れ、右は同10線目であるから、右は左に対して5線多いことになる。

C.
臀部からのリングは、左13線目と右11線目で左右が一致する。   
よって左は右に対して2線、11mm隆起していることになる。

まとめ。

リングの発生数と形状から、次のことがいえる。

A〜Cから、左右の背部は、左が右に対して11〜16,5mm隆起していること、左右腋窩の線数は左が少ないことなどから、体が左に捻じれていることがわかる。 よって左線数が右に比べて少ないのは、捻じれによるものである。

また左右背部は、左側全体が硬くなり、その原因は捻じれと関連しているようだ。

改善法。

捻じれや左背部の硬さを解消する戸、体型も正常になるでしょう。
その改善法は次のようになります。 ただし、あくまでも動きやすい動き方をします。

なお、改善法のやり方については、実技をまじえて詳しく説明いたしますので、お待ちください。

立位   左右捻転。   左手を上げて左右への横歩き(半歩づつ歩く)。

仰向け   膝倒し。膝・押し出し。片胸そらし。

うつ伏せ  膝・引き上げ。
腰掛け   上体・左右旋。上体・左右スライド。  



今回は、姿勢のわるさ、体型のくずれ、生理的わん曲の不足といった体型のものが二体あるので、そのモアレ解説をします。

No3

No3
前かがみ姿勢により、上部のリングは線数が多くなっているが、これは論評しません。 平背傾向にあって、やや硬い体質と体型をしているようです。

A.
リングの発生が肩甲骨下部というのは異常であり、あきらかな平背傾向にあることがわかる。   
前かがみ姿勢による線数を取り除いても、全体的に前傾姿勢・平背にある。   
それをリングで観察すると、脊柱6〜12の線数は4〜5線で、5,5mm×4〜5=   22〜27,5mmのわん曲となる。   

よって背部の生理的わん曲が極端に少なく、細かくは脊柱1〜5は前傾、脊柱6〜 12は平背となる。

B.
腰部から臀部へ6線発生しているので、33mmのわん曲となる。

まとめ。

子供の背中にしては、活力が不足して感じを受けます。 どうしたことでしょうか。 案外、上部の前傾姿勢も実は自然なもので、本人の体型そのものだったのかもしれません。ではこういう場合は、何をどうするのかです。

改善法。

立位   後屈。   左右捻転。

仰向け   踵・押し出し。爪先・内外転。 膝倒し。肩上げ。

うつ伏せ  膝伸展。踵・左右倒し。

腰掛け   上体・左右旋。上体・左右スライド。   上体・前屈。  

No4

No4
腰部から肩甲間部にかけて7線発生しているので、38mm程度の生理的わん曲があるわげすが、その程度では生理的わん曲とはいえませんね。 どうしたことでしょうか。 しかしこのような体型が子供たちに多いのはたしかです。

さらに、腰部脊柱上のリングは、このような屋根型をしません。 窪みに対してリングは窪んだ形状として表れます。 臀部横に筋力による窪みがあるため、モアレ撮影のために緊張していたのかもしれません。
あるいは、お尻を出したことに緊張か。 その緊張が上部にも影響した、と仮定しても、平背傾向の説明にはなりません。

生理的わん曲が不足・平背傾向・緊張感がある、の体型です。

A.上部のリングは肩甲骨部、下部は臀部の発生になる。
腰部から肩甲間部にかけて発生しているリングの数は7〜8線であるから、38〜44mmの隆起差がある。
一般的には、おおよそ10〜14本発生するので、3〜7線不足している。
すなわち、17〜40mmの隆起が不足しているから、その分の生理的湾曲が足りない背部、ということになる。

B.リング数と形状から、平背・腰部の湾曲不足であり、体のやや硬い感じを受ける。
肩甲骨部も、必要な自然発生的隆起も足りない。

まとめ。
脊柱に自然な湾曲が不足しているので、頭部・肩こり・背部の痛みやだるさ・腰痛といったものがあるのではないだろうか。
脊柱の湾曲が不足した体は運動能力が劣るため、ごく自然に運動きらいになる傾向がある。

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